【完】☆真実の“愛”―君だけを―2




「生きるんだ、沙耶。何があっても、運命がお前を殺すことになったとしても。生きたい、そう願い続けろ。……な?生きてやれ。お前を思う、人達のためにも」



沙耶の父親である健斗さんは、愛妻家で有名。


数々の仕事を勝ち取り、その決断力は雪さんを思い起こさせる。


常に冷静で、面倒くさそうな彼が焦る要因。


それが、妻と沙耶のことだ。


それだけ、彼が大事にしている存在。


遠くからでも、”愛してる“と伝えてくれる存在。


そんな存在を自ら、手放すなんてダメだ。


そんな存在を悲しませては、ダメだ。