「救った?私が?」 こういう、鈍いところも。 「まさか」 自分の可能性を、自分のいいところを否定するところも、全部、全部、ほっとけなくて。 「救われているんだ。さっきも言ったろ?」 柚香は言った。 『私は沙耶に救われたの。だから、今度は私が救ってあげたい。沙耶が気付いていないときに言ってあげられるように、傍にいてあげたいの』 沙耶が無意識で救った人間は、たくさんいるんだ。