……その姿は美しかった。
表情は穏やかで、覚悟が決まっていた。
もう、誰にも止められないのだと皆が思った。
「…分かりました。最期まで、私たちもお供します」
十三人は傅いた。
美しき、姫に。
一人の幼き少女ような、悪戯っ子のような、
一国の妃のような、恋する乙女のような、
母のような暖かさをもつ姫。
「…そなたたちは、ほんに大馬鹿じゃ…」
愛しげな声。
そんな姫は、月虎、月龍、月兎、月狼を従えさえ、天に還った。
愛しき者と再び、来世で見えることを願って。
彼女は永遠に果てた。
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