「ぐ…」

貫通こそしなかったものの、そこはカスール弾の直撃。

佐助は膝をつき、動けなくなる。

「……」

かたやダンドリッジも、指先に僅かな痺れを感じていた。

如何に毒狼の猛毒とて、ダンピールの彼を死に至らしめる事は出来ない。

だが、何の影響もないとは言い難いようだ。

「もう止めなさい、ダン!私は命令してないでしょ!」

「チッ」

クライムとパニッシュメントをコートの内にしまうダンドリッジ。

「命拾いしたな、雑魚。ケプラー繊維を編み込んだ鎖帷子とは、現代っ子な隠密もいたものだがな」

嘲笑うダンドリッジを、佐助は歯噛みして見上げるしかない。