パシッ!と。

その手首をティグルが摑んだ。

え、いや、何、ティグル何処いたの?

さっきまでいなかったよねえ?

「今、アマリリスを探してそこの曲がり角曲がった所」

ティグルが指差した先は、500メートル先の曲がり角。

追い付くの速くねっ?

「そしたら、この彼がアマリリスのお尻触ろうとしてたからさあ…」

ニッコリ笑って言うティグル。

湧き上がる殺気が半端ない。

(駄目よティグル!私は抜いたら駄目だから!)

背中のレーヴァテインが、自主的に抜剣させまいと身を硬くする。

「ち、違いますのよティグル様!これは普段からやっているスキンシップで、決して彼は不埒な気持ちで触れようとした訳では…」

「スキンシップ?スキンシップ、あースキンシップね」

ズイと少年に顔を近付けるティグル。

「 や め て く れ る ? 」

「…はい…」