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記憶の糸を辿る。

何せ数百年生きた身だ。

記憶を遡るにも一苦労だ。

この国に上陸した直後は、変わらぬ吸血鬼の本能に従っていた。

女の血を啜り、刃向かう者には容赦していなかった筈だ。

しばらくこの国のそこかしこを徘徊し、無法の限りを尽くし、そして天神という地に辿り着き…。

人間と人外が同居する奇妙な土地を気に入り、しばしの滞在をする事にした。

喧しく追い立て、駆逐しようとするヴァンパイアハンターもおらず、居心地のいい時間を過ごした覚えがある。