あまり落ち着いた感じはしなかったが、取り敢えず甘酒と団子は頂いた。

「ごっそうさん、佐助、幾らだ?」

「有り難うございます。リュート殿達は当店第一号のお客人ゆえ、此度は『さぁびす』として御代は頂きません」

最初の客だったのな…。

「佐助君、それは悪いですよ、私達きちんと払いますから」

古奈美が言うが。

「隠密とは」

佐助が天井裏から言う。

「無償で己の身を張り、主君をお守りする忠義者。それは主君だろうが、友人だろうが一緒にて候。友人から御代など頂きませぬ」