「へぇ…」

小高い丘の上。

転移魔法陣を抜けて地球・天神地区に到着したティグルは、その眺望を眺めていた。

傍らには、アマリリスの姿もある。

「思っていたより大きな街なんだな、天神地区って。それに…」

スンと鼻を鳴らすティグル。

「魔物や魔族…それに、何だかわからない匂いもする…父さん達から聞いた通りだ。この街、人間以外の種族もウヨウヨしてるぞ」

「まぁ大変!アマリリスは怖いですわ」

白々しくティグルに擦り寄るアマリリス。

あざとい。

「ま、大丈夫だよ」

ティグルは一歩踏み出す。

「気配の大小はあるけど、邪悪な感じはしない。多分危害を及ぼされるような事はないだろうから」