三日月 ~キミの瞳にうつるのは ~

「私には、カケルじゃなきゃ意味がないの。

それに、私を必要としてくれる人なんてもう、

どこにもいないよの。

それとも、カケルは私を必要としてくれるの?

それを証明できる?証明できるんだったら……」




私と付き合ってよ。



その言葉は私の喉元のブラックホールに吸い込まれていった。

私はまた、逃げた。

あと一言が口に出せれば、優しいカケルは間違いなく、

私と付き合うだろう。

それなのに、いざとなると、カケルはそれを望んでいない

という理由にかくれた

カケルにこれ以上失望されたくない気持ちから、

現実を遠ざけて逃げてしまう。