「ミチル……。」

恥ずかしいとわかっていてした行動だったが、

想像以上に自分という人格を許せなくて、

カケルに嫌われたくなくて、

この重い雰囲気をどうにかしようとした。



「カケルごめんね。迷惑だったよね？

なんか、空気が重いね。」

私はエヘヘと弱く軽い調子で笑った。


「いいよカケルは気にしなくて。」

そんなことを言いながら、このタイミングで鼻をすする

私に嫌気がさす。


それはわざとではなかったから、

もっと嫌だった。