「どうしてこんなところにいるんだろう?」

口に出してしまえば、頭の中で整理がつき、

この状況を少しは理解できるかもしれないと思ったのだ。


「もしかして、カケルが入院してるとこを

私がベットを占領していたりして……」

開いた口は止まらないで、動き続けていた。


それは彼の眠りを覚ますようだった。



にこっと笑ってみる。

それでも、記憶は変わらない。


いつものように、嫌いなものから逃げたいのに、

私は金縛りにあったかのように

一部分がカケた記憶

という設定に身体を縛られているのだ。