ため息混じりに微笑んだら、拓麻はニッと口角を上げて返事をした。
「じゃ、またな」
「うん。バイバイ」
教室を去っていく拓麻の背中を眺めながら、大きく肩を落とす。
何やってんだ、わたしは。
どうして、我慢なんかしちゃってるんだろう。
バカみたいだ。
わたしって、ほんと、可愛くないなぁ。
拓麻が迷惑に思うくらい、わがままをいっぱい吐き出しちゃえば楽なのに。
拓麻も拓麻だよ。
少しはわたしの気持ちを汲み取ってくれたっていいんじゃないの!?
寂しがってるのは、わたしだけ?
……これじゃあ、わたしばっかり好きみたい。
そりゃあ、部活を一生懸命頑張ってる姿をかっこいいとは思うよ?
だけど、もっと拓麻との時間が欲しい。