【短】だから、きみはずるい。





「でも、らしくないことなんかしなければよかった」




今まで溜めてきたモヤモヤがイライラに変わって、萎んでくれない。



少女漫画の可愛いヒロインなら、ここでしおらしく、泣きながら逃げるのだろう。


そうしたいのは山々だけど、わたしはこんなところで引けない。



たとえ女の子っぽくなくても、拓麻に一言言わないと気が済まないんだ。



「拓麻は軽音部で忙しいから、彼女は邪魔ですよね。そうですよね」


「棒読みで敬語やめろよ。怖ぇよ」



わたしの刺々しい態度に、拓麻はたじろぐ。


心が狭くてごめんなさいねっ。



いいよ、文化祭の間は邪魔しないように、拓麻と距離置くから。


精々、部活頑張ってね。


バーカ!



「わたし、今日はやっぱりひとりで帰る。さようなら」


「お、おい、待てよナナ!」