【短】だから、きみはずるい。





「だって……」


「拓麻!」



拓麻の声とかぶせて、下駄箱に着いた拓麻の前に現れる。


拓麻はわたしの姿を見て、目を丸くした。



「な、なんでお前、まだ学校にいんの!?つか、さっきの話、もしかして聞いて……?」


「うん、聞いた」



即座に頷けば、拓麻は口をパクパクさせた。




「ご、誤解すんなよ?俺がお前を部室に連れて行きたくねぇのは、ちゃんと理由があって……」


「わたし、拓麻と一緒に帰りたくて待ってたんだ」



話を遮って、目をつり上げながら言う。



わたし、やめる。


ひとりでモヤモヤしながら悩むのも、理解のある寛大な彼女を演じるのも、寂しさを忍ばせるのも。


全部、無意味だって気づいた。