君を愛した時間〜残した宝物

「良かったぁー!」
俺は、セラが目覚め安心した。
強風で、ガタガタと小屋のあっちこっちで音がしている。
「すみませんでした!私…」
「いいよ…それより足…」
心さんは、ボートの横に座り込み目線を右足に向けた。
「あっ…平気です…」
私は右膝の部分に手を置いた。
「ちょっと診せてみろ」
俺は、セラを抱き抱えた時の感触が気になっていた。「やめて下さい!」
私は、右足を抱え込んだ。
「何もしない…男が居る女に手は出さないから、安心しろ!」
《男?…》
「あの…男って?」
私は心さんの横顔を見た。
「この前コンビニの現場に来たって親方が言ってた…」
心さんは濡れシャツを絞りながら言った。
「コンビニ…?」
「あぁー」
俺はセラの右足の膝の部分に目を向けた。
《何か膝の部分から出てる…》
「何か刺さってるぞ」
俺は顎で膝の部分を指した。
「えっ?」
私は右膝を見た。
《ヤバイ!ベルトの金具がズボンを刺して金属が出ている!どうしよう!》
「…」
「何か刺さっているから痛いんだろ?見せろ!」
俺は強引にセラの手を退かした。
「本当に平気なんです!」
「何か刺さっているなら、取らないとヤバイだろ!」