その週のうちに、株式会社Otomotionにて、新作ゲーム『〈仮〉under boys』の製作チームが発足した。

内容としては、CERO C(15歳以上対象)を想定しているとのことだ。
もし18歳以上だったら、完成品を見る勇気があるか自信がない郁である。

キャラクターデザインを担当するのは、なるみ女史なのだから。

「やりましたね、白石マネージャー。製作チーム発足ですよ」
声をはずませて、隣のデスクの白石に声をかける。

「これからだよ。売れなきゃ意味がない」
クールに返される。

「まぁ、そうですけど」

「独立した金木ディレクターみたいな、独創性あふれる世界観を持つ作品を生み出すのは難しいだろうけど。天才の真似をしてもしょうがない。
うちが提供したアンケートやコンセプトに、Otomotionが持つゲーム作りのノウハウを合わせれば、クオリティーの高い作品ができるはずだ。作品作りに関してはOtomotionのスタッフを信じて託すとして。
こっちはこっちで売るための手を打つ」

白石の言葉には迷いがない。