「せっかく密室なのに。最近のエレベーターってたいてい監視カメラがついてるから、イケナイことはできないけどね」
すぐに現実という地平に引き戻される。
やっぱりどこかで誰かに見られてるかもしれないと思うとな・・・とブツブツつぶやいている。
仕事のためとはいえ、人前でさんざん恥ずかしいポーズはとらせたくせに、である。
手をつないで見上げる都会の空は、厚いスモッグに覆われているのか、星はほとんど見えない。
それであっても、満天の星空にひけをとらないほど美しく、そのときの郁の目には映った。
願わくば、彼の目にもそう映っていますように———
すぐに現実という地平に引き戻される。
やっぱりどこかで誰かに見られてるかもしれないと思うとな・・・とブツブツつぶやいている。
仕事のためとはいえ、人前でさんざん恥ずかしいポーズはとらせたくせに、である。
手をつないで見上げる都会の空は、厚いスモッグに覆われているのか、星はほとんど見えない。
それであっても、満天の星空にひけをとらないほど美しく、そのときの郁の目には映った。
願わくば、彼の目にもそう映っていますように———



![he said , she said[完結編]](https://www.no-ichigo.jp/img/book-cover/1737557-thumb.jpg?t=20250401005900)