俺様御曹司とナイショの社内恋愛



きびしいですね・・

Otomotionを後にして、帰りの電車の中で、郁は白石に話しかける。

「乙女ゲームって、イケメンが甘い言葉をささやいてくれるだけの内容かと思ってたんですけど。お金を出して買ってもらえる商品を作るって、やっぱり大変なんですね・・・」

なんとかあの会社のために・・・そんな焦燥感はわいたけど、門外漢の郁にできることがあるとは思えない。

「とりあえず、次にやることは見つかった」

白石の言葉に「へ?」と、間抜けな声が出る。

「今までは、どんな需要があるのかつかめないとか言ってたから、沢木さんに協力してもらって、アンケートからデータを抽出したんだ。
そこになにか、新しい切り口を加えれば、どうやらゲームが作れそうだ」

「で、でも、新しい切り口なんてどうやって見つけるんですか?
雪瀬さんみたいなプロの方でも、苦労してるのに」

「難しいからこそ、やりがいがあるんじゃないですか?」


白石諒の丁寧語を耳にするたび、首すじを冷たいもので撫でられたように、ひやりとした感覚が疾る。