「白石さんてぇ、閉まるのボタン先に押すんですねー。ふつう階数ボタン先に押しますよね」
文字に起こすと、語尾にハートマークが付いているような声音で、同僚がさっそく白石に話しかける。
その方が早いんで、階数表示に視線を向けたまま、淡々と白石諒が答えた。
「えっ、そうなんですかー、でも1秒かそこらですよね」
「1秒でも、その積み重ねが違いになるから」
そのあたりでエレベーターを下りたのか、その後のやり取りは憶えていないけど。
エレベーターのボタンでさえ、秒単位の効率を追求する。仕事ができる人なんだろうと思った。
そんな人のアシスタントが、自分に務まるんだろうか・・・
文字に起こすと、語尾にハートマークが付いているような声音で、同僚がさっそく白石に話しかける。
その方が早いんで、階数表示に視線を向けたまま、淡々と白石諒が答えた。
「えっ、そうなんですかー、でも1秒かそこらですよね」
「1秒でも、その積み重ねが違いになるから」
そのあたりでエレベーターを下りたのか、その後のやり取りは憶えていないけど。
エレベーターのボタンでさえ、秒単位の効率を追求する。仕事ができる人なんだろうと思った。
そんな人のアシスタントが、自分に務まるんだろうか・・・



![he said , she said[完結編]](https://www.no-ichigo.jp/img/book-cover/1737557-thumb.jpg?t=20250401005900)