俺様御曹司とナイショの社内恋愛

「川本さんのやること自体は、今までとあまり変わらないかな。営業アシスタントだから」

「白石さんの、ですか?」

「そう、俺の」
かるくうなずく。

「川本さんの仕事ぶりは聞いてる。営業と連携をとって、的確に動ける人だって」

それは買いかぶりだ。
前の部署は、新人の頃から郁を辛抱強く育ててくれたから、ようやく仕事ができるようになってきたのに。


結局その日は、パソコンの設定や荷物の整理で終わった。

なんだろうこの部は・・・

グループマネージャーだという沢木は、仕事らしい仕事をしている様子がない。
背を丸め、手にした経済新聞を隅から隅までなめるように読んで、5時になるのを待っていたように帰社していった。

他の面々も似たようなものだ。