酔ったはずみで関係を持ってしまった———そんなこと自分の身に起こるわけがない。

そもそもありえないから、そんな想像をしたことさえなかった・・・昨日までは。


「おはよう、川本さん」

二日酔い特有のぐらぐらした頭のどこかで、郁(イク)は爽やかな声・・と思った。

そこから———蛇が鎌首をもたげるように、不安と疑問がたちあがってくる。


ここ・・・どこ・・?
今、いつの・・何時・・・?
わたし、、どうして・・・