翔くんは次々にみんなが注文したものを買っては私に渡しての繰り返しだった

結局私は荷物持ち役なのね

「よし!これで全部だな。帰るぞ」

「あ、翔くん私ちょっとお手洗いに行ってから戻るから先に帰ってて。」

「え、あ、ああ、分かった。けど早めにな。皆腹減ってるだろうから」

「うん!」

そう言って私はお手洗いに行った

用を済まして

お手洗い場を出た

もう、荷物持ちになるなら行かなきゃ良かったな

皆のところへ帰ろうと少し歩いたとき

「あれ?ここどこだろう?」

人がいっぱいいてどこにいるか分からなくなってしまった

う、うそ。高校生になってまで迷子なんて翔くんにバカにされる

って、そうじゃなくて、早く戻らないと

そう思い歩こうとすると

「ねぇねぇ、君一人?よかったら俺らと一緒に遊ばない?」

「うわ!めっちゃ可愛いじゃん‼」

目の前にいかにもチャラい男が二人立っていた

え、これってナンパ!?

なんでよりよって私なの?

私なんて可愛くないし、いいところないのに。この人たち目大丈夫かな?

とにかく早く戻らないと皆待ってるし

「あの、ごめんなさい。友達待たせてるので…」

「じゃあ、その友達も一緒でいいから、ね?」

「あ、あのー…」

「たくさんいたほうが楽しいでしょ?」

バシッ

男の人が笑顔でいい私の腕を掴んだ

「さ、友達のところ行こう?どこにいるの?」

話聞いてないし、しかも痛くて怖い!

腕はどんどん引っ張られている

怖い!誰か…助けて…誰か…翔くん