母親と父親に愛された記憶は何処かに蓋をして置いてきた。 あれは私の両親ではない。 両親の役に成りきったただの女性Bと男性Cだ。 私が少女Aであるのと同じ様に。 別に愛されなかったわけじゃない。 人並みに。いや。人以上に私は愛されていたかもしれない。 愛してくれていたのだと思う。 彼等なりに。それは、誰がなんといおうと愛の形で誰も手出しはできない。 愛とはそういうものなのだ。 私は幼いながらに心の隅でひっそりと人生を何処か悲観していた。