ーーキキーッ、ガチャッ

「・・着きました」

雪人は静かにそう言うと、運転席からおりて、助手席の扉を開けた

「・・・///」

顔を真っ赤にして俯いている陽

「・・柊木さん、少しお話できますか?」

軽く車にもたれかかって、右手を陽に差し出した

いつものような優しい顔に、陽は躊躇いがちに自分の手を重ねた

雪人は、陽が手を重ねてくれたことに、安堵の表情を浮かべた



ーーガチャ

躊躇いがちに陽は雪人のあとについて、リビングに入った

「お茶をいれますから、座っていてください」

陽は雪人からそう言われて、遠慮がちにソファの端に腰かけた

ーーードキドキ、ドキドキ、

車に乗っているときから、ずっと鳴り止まない自分の心臓に手をあてて、ゆっくりと息を吸い込んだ

(・・あ、、この匂い、、)

鼻を掠めた雪人の品のあるお香の匂いに、少し気持ちが和らいだ

ーーコトッ

「・・どうぞ。」

静かな部屋にコップを置くお互い響いた

陽のコップを机に置くと、雪人は陽から少し距離をとって座った

「・・・ありがとうございます。」

ーー・・・

しばらく沈黙が続いたあと、先にその沈黙を破ったのは雪人だった