一真が陽たちの場から離れて数分、腕を掴んだまま何も言わない雪人に

「・・あの、離してください、、」

陽は目を合わさず言った。

「・・ちょっと来てください。」

そんな陽の言葉をまるで聞こえていないかのように、雪人は陽の腕を引っ張って、自分の車に連れて行き、助手席に乗せて、シートベルトを締めさせた。

そして、何を話すこともなく黙って車を走らせた。

「・・あのっ、どこに行くんですかっっ」

沈黙に耐えかねた陽が雪人に言った

「・・・」

しかし、雪人は目を合わせることもなく車を走らせ続ける

(どうして何も言ってくれないの、、)

今の雪人にはいつもの優しい甘い雰囲気は微塵も感じられず、ただ張り詰めた空気が車内を満たしていた。