ーーーシャカシャカシャカシャカ

雪人がお茶を点てる姿に、会場にいる人たちが魅入っている。

(・・・綺麗、、)

陽はそう思った。品のある着物を着て、少し化粧もしているように見える。
慣れた手つきで、しかし丁寧に、優雅にお茶を点てるその姿は、これまでの雪人のイメージとは全く違って美しいものだった。

(・・羽衣さん、楽しそうにお茶をたてるんだなぁ、、)

陽は雪人の表情を見て、そう思った。

そして、お茶を点て終えた雪人はゆっくりと立ち上がり、会場にいる人たちに一礼した。

ゆっくりと顔を上げた雪人は陽の姿を見つけて、目を瞬かせて驚いたが、すぐに表情をもとに戻し、挨拶を述べた。

(・・びっくりした、、目、合ったよね、、")

陽は動悸のする胸を押さえながら深呼吸をして、

「ごめん、里香、ちょっと人に酔っちゃったみたいだから、エントランスにいるねっ。

これ、わたしの分のプレートもあげる!当たるといいねっ!」

そう言って陽は、会場にいる人たちの邪魔にならないように扉へと向かった。

「え!ちょ、ちょっと、陽!?


もー、仕方ないなぁー。よーし!絶対当ててやるぞー!!」

里香はそう呟いて、拳を握り締めた。