《これ以上先は、まだ秘密。》

「今日、沙里の父の亡くなった日。」

「まだ....覚えてたのか。」

「あたりまえだろ、ずっと待ってたんだからこの日を。」


はー。やっと。
やっと沙里は俺を見てくれている。

触れたい。

好きだ。

すごい、好きだ。

溢れそうな思いを隠しながら

俺は1歩づつ、沙里に近づく。

「な...なんだよっ。く、来るな!!」

なに、その顔。
なんでそんなに赤いの?
意識してる?
本当に、意地悪したくなる。