《これ以上先は、まだ秘密。》

そしてついに、その日がきた。

授業後の夕日が染まる教室に俺は足を運んだ。
人はいない。俺と沙里だけ。

そしてドアを開けた。

───ガラ。

沙里がとっさにこちらを向いて言った。


「誠...だから先帰っていい...って」


どうやら、先ほどまで誠と会っていたようだった。俺をいきなり誠と間違えるなんて、正直超ムカついた。

だから意地悪したくなった。
久しぶりに沙里に意地悪をした。