《これ以上先は、まだ秘密。》


そう言って、俺は震える手を動かしながら
沙里を抱きしめた。


ゆっくりと
優しく。



それが伝わったのか
沙里はとても幸せそうに呟いた。


「ありがとう。」



この日は俺にとって
これからも一生越せることのできない
大切な日になった。