《これ以上先は、まだ秘密。》



「聞いて、沙里。」

俺は沙里に、全ての事を話した。
自分の兄のこと、家のこと
そして俺の悪い性格のこと
そして....沙里に会って変われたこと。

それを聞いて、沙里はますます
涙をこみあげた。

「だから、沙里。俺には沙里が必要だよ。死ぬなんて言わないで。」

声が震えてしまった。
だけど伝えなきゃ、俺が沙里に
本当に本当に救われたってこと。


「今度は俺が沙里を支えるから。」


小学生の頃の俺にとっては、それが最大限の言葉だった。