《これ以上先は、まだ秘密。》

花火大会が終わって、公園のベンチで座っていた時だった。沙里がポツリと話を始めた。


「なぁ、遥斗。私な、１週間前に父がなくなったんだ。｣

それは突然の事だった。
確かに最近の沙里はどことなく作り笑顔を交えて何かを我慢しているようにも見えた。

「なぁ...遥斗はこれから言う話内緒にしてくれるか？｣

珍しく、おとなしい沙里を見て
今は意地悪をするとか嘘をつくとか
そういう雰囲気じゃないことに気づいた。

「うん、誰にも言わない。絶対に。｣

沙里はこちらを向いて少しニコッと微笑んだあと、ありがとうと呟いた。