やっとの思いで家に着いた。

玄関を開けた。

少しして、理彩が急いだ様子で、玄関に、向かって来た。

「お帰り。」

疲れたオレは、理彩を無視して寝室に向かおうとした。

でも、行くことは叶わなかった。

その理由は、理彩に、腕を捕まれたからだ。

なんだよ、こっちは疲れて帰ってきてんだよ。

早く寝たいのに。

そんなことを思いながら、振り返った。

「なに」

冷たく言い放った。

理彩と、目があった。

いっこうに言う気配はなかった。

だから、もう一度、聞いた。

「だから、なに」

そういうと、うつ向いた。

「あ、えっと、な何かあったの?」

理彩のおどおどしているのに少しだけイラッとしてしまった。

普通に考えて、何かあったから遅く帰ってきたんじゃん。

その時のオレは、自分のことしか考えられなかった。

オレは、理彩に向かってひどい態度ばかりとってしまった。