イジワルで優しい彼と再会したら

下駄箱の横につっ立っているのが落ち着かず、
真琴は靴紐を結ぶ格好のまま座っていた。

(目を合わせて会話してしまった…)

会話できたことが嬉しくて、もう帰ってもいいような気持ちになる。

下校時刻を少し過ぎているので、校内にいる生徒はまばらだ。
帰り支度をしている運動部の生徒の声が、やけに大きく聞こえてくる。

背中にいつもよりも神経が集中している気がする。

パタン、と、靴を取り出す音がした。

「んー」
という声が真琴の少し後ろで聞こえ、足音が、真琴の右隣まできて止まった。

「どうも、お待たせしました」

「全然待ってないです!」

隆一は、委員会中となんら変わらない表情で真琴を覗きこむ。

「帰りますか」

「は、はい。」

長いまつげと、まつげがぶつかりそうになっているメガネ。

歩き出しながら、真琴は先ほどから気になっていたことを口にした。

「きょ、恭介くんから何か変なことを…聞いてます、よね?」