イジワルで優しい彼と再会したら

「こんばんはー!!真琴です!!」

やたら笑顔の真琴を、恭介の母は快く迎えてくれた。
「あら?真琴ちゃん、何かいいことあった?
 恭介なら、上にいるから声をかけてみて」

「ありがとうございます!」

階段を上がり、ドアをノックすると、
「いるぞー」という声がした。


「さて、恭介くん。なぜ、隆一さんに私のことを話しちゃったのかな?」
真琴はベットに腰かけ、恭介は床に座る。いつものパターンだ。

恭介の母が持ってきてくれたお茶を飲みながら、恭介は話し出した。

「悪かったよ…隆一が、最近委員会で向かいに座ってる1年の子が、俺の知り合いだろって言うもんだからさ」

「隆一さんが?」

「つい、その1年も、お前のこと気にしてたぜって」

「ハー.......」

大きなため息をつきながら、真琴はベッドから降りてお茶をすする。

「ダメダメじゃん。バレちゃうじゃん」

「隆一だってそんなに見つめられたらなんかしら思うだろうが」

「そうだけど、これからは余計なこと言わないでよね!」

気をつけまーす、と気の抜けた返事をした恭介にあきれながら、
真琴はさっきまで一緒に歩いていた隆一の、少し姿勢の悪い立ち姿が頭から離れなかった。

隆一が近くにいると、緊張でわけが分からなくなってしまう。
普段の自分では、ありえないのに。