私も気がついたがパイド文鳥(♂)とシルバーイノ文鳥(♀)が隻眼(片目が白濁)で本当に視力が無い様だった。

「怖くも美しくも見えるだろう。白濁した片目は」社長が私に話しだした。相づちをうつと更に「隻眼はやがて片目酷使の為、全盲になるんだ」
だから、そうなる前に、籠内で文鳥夫婦同士とか一羽での事故がおこらない様、小さな籠に移す予定だと…

「生まれた時から隻眼なのですか?」私は聞いてみた。すると社長は悲しそうな顔をして「私のミスだよ」と文鳥の番達に謝った。

じょんじょん鳴いてひゅーひゅーと求愛ソング、頭と胸が花びらの様な数枚の白羽毛で、斑模様が艶かしい、パイド文鳥は社長に気に入られ一羽で購入された後、白文鳥とお見合い、そして夫婦に至るのだが、巣引きをしない彼らは何かしらの脅威で籠の中で暴れ、障害をおい…

成鳥なのに幼鳥並みに愛くるしい、シルバーイノ文鳥は、社長がときめき、身体の弱いブルー文鳥に嫉妬させるくらい、社長はイノにアプローチしてしまい、夫に女房がツツキ壊されたのだと…
パイド文鳥×白文鳥夫婦の円満さと違い、ブルー文鳥×シルバーイノ文鳥夫婦は殺しあわないか心配なので何かしらの対策を検討中だと…

私は、なるほどと痛みを少しだけ共感させてもらう。

そして隻眼の彼らを改めて見て、どちらも魅了的過ぎる。
とそう思った。

社長が社長の無知を恥じてる姿。
私の反面教師になってくれてるんだと想うと、
人間と文鳥の想いと想いの交錯に泣けた。