「沼田さん、どうしたの?」
名前を呼ばれ振り返ると、担任の追口先生が不思議そうに首を傾げていた。
「あの、教室に誰もいなくて」
「次は移動教室じゃない? 保坂先生が家庭科室で授業をすると話をしていたわ」
家庭科室は体育館の近くにあり、ここから五分でぎりぎりだ。
だから、教室が閉まっていたのだろか。
移動教室のときは、最後に移動する人が教室の施錠をするようになっているはずだ。
鞄を持っていたのが幸いだ。わたしはその足で、家庭科室にいくことにした。
家庭科室に着くころには既にチャイムが鳴り終わっていて、辺りもしんと静まり返っていた。
保坂先生の声が響く、家庭科室のドアを開けた。
先生は眉根を寄せ、しわのある目元でわたしを見据えた。
「昼食を食べていて遅れました」
「教室に戻らなかったの?」
「鍵が閉まっていたので、そのまま来ました」
「分かったわ。早く座りなさい」
わたしは自分の席に着いた。クラスメイトの冷ややかな視線が突き刺さるのを感じながら、短く息を吐いた。
名前を呼ばれ振り返ると、担任の追口先生が不思議そうに首を傾げていた。
「あの、教室に誰もいなくて」
「次は移動教室じゃない? 保坂先生が家庭科室で授業をすると話をしていたわ」
家庭科室は体育館の近くにあり、ここから五分でぎりぎりだ。
だから、教室が閉まっていたのだろか。
移動教室のときは、最後に移動する人が教室の施錠をするようになっているはずだ。
鞄を持っていたのが幸いだ。わたしはその足で、家庭科室にいくことにした。
家庭科室に着くころには既にチャイムが鳴り終わっていて、辺りもしんと静まり返っていた。
保坂先生の声が響く、家庭科室のドアを開けた。
先生は眉根を寄せ、しわのある目元でわたしを見据えた。
「昼食を食べていて遅れました」
「教室に戻らなかったの?」
「鍵が閉まっていたので、そのまま来ました」
「分かったわ。早く座りなさい」
わたしは自分の席に着いた。クラスメイトの冷ややかな視線が突き刺さるのを感じながら、短く息を吐いた。


