曼珠沙華 -夢の通路-

「大君どのは、親の威光を盾に、威張り散らしているから。己より高貴な者がいると、分からせてやりたい。」

「それなら、貴方が出れば良いじゃない、久光。この中で1番高貴と言えば、貴方よ?」

「いいえ、それは姫です。僕は、零落してますよ、何度も言いますが。」

2人は、また、笑った。

「でも、調度品は盗まれていないようだね、珠寿。」

「ええ、それは大助かりです。何故かしら。」

わからないのか、と久光はがっかりした。

「流石に調度品のような大きな物が無くなれば、母君達が勘づいてしまうからだろうよ。」