曼珠沙華 -夢の通路-

「えぇと、久光様?」

姫君までもがそう呼ぶので、久光はふくれる。

「姫はよろしいのですっ!久光とお呼びくださいませ!」

何て言っているので、姫君は久光に「ごめんあそばせ」と言って、頭を撫でた。

「久光様は甘えん坊ですね。」

「うん、母に甘やかされていたからかなぁ。」

(嗚呼、ありゆる話かもしれないわね。)

「でも、姫を困らせる大君が此処に帰ってきたら、追い返してやりますよ。」

久光は得意げに言う。