曼珠沙華 -夢の通路-

「久光、貴方、大臣家の子だったの?やだ、私ったらいつも呼び捨てで……………」

久光は苦笑して、「いいのですよ」と言った。

「それは昔の話。実際には零落してしまいましたもの。」

姫君と珠寿は、久光が「自分より上流」な意味が、やっとわかった。

「確かに、姫様のお父君様よりも上流となると、大君家くらいしか御座いませんでしたね。」

(ってことは、私、久光のこと、久光様とお呼びしなけりゃいけなかったのォ。)

珠寿は頭を抱えている。

「あ、あのォ、久光様………………」