久光は、言っても信じてもらえないだろう、と思っていた。

「さぁ、白状なさい。」

此処では、白状という言葉はあまり相応しくないのだが…………

「世に言うところの、おおいぎみです。」

「大君? 」

え、と姫君と久光は顔を顰めた。
珠寿は、勘違いしていた。

「違うよ。大臣。珠寿また間違えそうだから言っておくけど、大臣だよ、お、と、ど。」

さらりとそう言いのけた久光に比べ、珠寿はぽかんと口を開けている。
姫君は、固まっている。