曼珠沙華 -夢の通路-

「まあ、何と?」

「我に露 あはれをかけば たちかへり 共にを消えよ 憂きはなれなむ」

久光は姫の口調に似せて、そう詠んだ。

「まぁ、悲しきお歌ですね。そんなお歌は、詠みませんように。貴女様には、まだ未来があるでしょう?」

姫君はクスリと笑って、「でもね」と続ける。

「この歌を詠んだら、久光が帰ってきてくれたの。嬉しいことよ。」

「姫様ったら……………………………」

珠寿は呆れて、物も言えなくなってしまう。

「姫様〜。」

久光は、甘えた。
さらに珠寿は呆れる。