この日からコウジュンの態度に変化があった。ひとつめは、ハルに対し積極的に関心を示し始めたこと。それはアユールに聞かなくてもハルの目にもわかるほどだった。



「え?今、何て?」
言い終わるよりも先に、ぐっと引っ張られ、あっと思った時にはもうコウジュンの逞しい腕の中だった。

抱き寄せられている格好だが、


「容易く月の下に出るな!
アユール、カーテンを。」


厳しい一言が飛ぶ。
まだ日も暮れ始めていないのに、
アユールは慌てて寝室のすべてのカーテンをひいてまわる。

ふたつめは、過剰なほど月光を警戒するようになったこと。昼間の白い月にさえ、反応している。