今度は抱き締められたままくるっと部屋の方へ向き直らされてしまった。
「コ、コウジュンっ?!」
窓はもう見えない。

「悪いが今はまだ返せない。」
押し返してもその腕はびくともせず、放してくれない。

「言ったはずだ、まずは正妃になるのが先だと。私の望みが叶うまでは帰らせない。
天へ帰るのはそれからだと。」

「帰れるの?!」

「今はまだ、帰ることは許さない!」

月光で人の身体が消えたりするだろうか?
ーーいや、あり得ない。
だが、

だがーー、、

天から来たのなら、

消えてしまうかもしれないーーー、、?



「ガイン!今後一切、ハルの部屋のカーテンは開け放つな!全てひけ!

ユンハ!部屋のカーテンを締めよ!」

厳しい口調で告げると、そのままハルを胸に抱えあげた。