腕の痛さで我に返った。

「何をしている?!」


驚いたように、見上げる。
やっと薄茶の瞳が焦点を合わせた。
「私、、」

ハルはそれでやっと、自分が窓辺まできていたことを知った。
「いつの間に、、

月を見ていただけなのに、、」

今はもうコウジュンの胸の中だった。
すっぽり抱え込まれ、
痛いくらいに両肩を握られている。

「コウジュ、、っ痛い、、」
「月光に溶けてしまいそうだった、、」

「え?」
「ハルの身体が月の光に溶けてしまいそうだった。」

ハルは「まさか」と、窓のほうを見ようと首を伸ばす。

しかし、抱き締める腕にさらに力が込められた。
「痛、っ、」