「コウジュン、だいじょうーー」
ふいに腕を引かれ振り返る。
口元に手を当てたカイルが、静かにと言っているようだった。
揺れるカーテンを背にしたコウジュンは、
そのまま部屋の中央まで戻ってくると青い瞳を鋭く光らせ、窓辺に向けたまま、
「下の庭にひとり、おそらく皇太子の手の者だろう。
やはり私の予想通りだったんだ。」
「え?」
「ハル様、お静かに。
今はひとまず、お座りください。」
カイル、ユンハも慌てる様子などなく、
むしろ打ち合わせていたことのようで。
ユンハも忍び足で別の窓に寄ると、そこから下を見下ろしている。
彼らの顔にはもう、ここに戻り着くまでのあの憤りや落胆の色はどこにも見えなくなっている。
「あんなに苛立ってみえたのはわざとなの?一体どういうこと?」
訳がわからなくて困惑しているのはハルだけのようだ。
促されるままソファに座る。
「どうぞお鎮まりに。」
コウジュンが不敵な微笑みを浮かべた。
ふいに腕を引かれ振り返る。
口元に手を当てたカイルが、静かにと言っているようだった。
揺れるカーテンを背にしたコウジュンは、
そのまま部屋の中央まで戻ってくると青い瞳を鋭く光らせ、窓辺に向けたまま、
「下の庭にひとり、おそらく皇太子の手の者だろう。
やはり私の予想通りだったんだ。」
「え?」
「ハル様、お静かに。
今はひとまず、お座りください。」
カイル、ユンハも慌てる様子などなく、
むしろ打ち合わせていたことのようで。
ユンハも忍び足で別の窓に寄ると、そこから下を見下ろしている。
彼らの顔にはもう、ここに戻り着くまでのあの憤りや落胆の色はどこにも見えなくなっている。
「あんなに苛立ってみえたのはわざとなの?一体どういうこと?」
訳がわからなくて困惑しているのはハルだけのようだ。
促されるままソファに座る。
「どうぞお鎮まりに。」
コウジュンが不敵な微笑みを浮かべた。

