「アユール?!アユール??」

中庭で発見されたアユールはぼんやりとして視線も合わず、意識が混濁しているようだった。

「毒でしょうか?急いで医務員を呼んできます!」
「待て!」
走りかけたガインをユンハが引き止めた。

「城の内部に、他にも皇太子の息のかかった者がいるかもしれない。」

コウジュンは大きく頷いた。
「ユンハ、アユールを白亜の神殿へ。
神官長ミムリに治療を頼むと伝えてくれ。」

「わかりました。あそこには独自の治療院がありましたね。」