肝心なことをまだ聞けずにいる。



日増しに強くなる帰したくない想いと、
約束を果たさなければという想い。


そして、今更になってそんなことを悩む
自分への苛立ち。


だが肝心の言葉は出てこない。
『今も帰りたいか?』と。


「・・ジュン、コウジュン?」
はっとして、みると薄茶の瞳が心配そうに見上げていた。
「コウジュン。
ふぅ、、どうしたの?」

「ん?」
「ここ。」
トン、とハルは自分の眉根のあたりに指をあてて見せた。そのままぎゅっと眉根を寄せる。
「すごく難しそうな顔してるよ。」

「ん、、、、っふ、

ハル、その顔は、、ぷ、、っ。」

「そんなに変?!」
コウジュンが笑っていることにハルもほっとして一緒になって笑った。

「ハルには敵わない。」

「ん?何が?」
今度はハルが聞き返す番だった。