その晩、コウジュンはハルに寄り添うように身体を横たえていた。

これまではベッドの離れたところで背を向けるように眠っていたけれど、今夜ばかりは違っていた。

少しずつ正気が戻りつつある顔色、規則正しく繰り返される呼吸。


彼女を守りたいと思った。

眠る彼女の額にそおっと口づける。




気づけば自問していた。


『その日が来たら返せるのだろうか?』と。






青い瞳がふっと瞬いた。


今は、そんなことは構わない。
ハルが無事でさえいればーー