こんな姿は今まで見たことがなかった。
コウジュン様は確かに変わられた。
いつも冷静で、理性的。社交的な微笑みの中にどこか一線引いたようなところがある、それがコウジュン皇子だった。
気品、判断力、知性もあり、大変優れた皇子、だが敢えて言うなら、異性への愛情面で欠けているところが見られた。それは皇子の生母である前王妃が寂しい最期を遂げられたことが皇子の心に傷を残しているからなのだが、その皇子が、このようにひとりの女性に目を向けられる日がくるとは、、
「ガイン?どうしたの?」
ガインはまじまじとハルを見つめていた。
「あ、いえ、何でもありません。」
ガインは慌てて止まっていた手を動かした。
午後に不要な書類を置きに戻ったのだった。
「ま、ハル様!」
「え、っぁ!きゃあ!」
ドレスの裾を踏んでしまい前のめりに倒れこみそうなところを、ユンハに支えられる。
「ハル様!」
「ぁ、、あ、りがとう、ユンハ、、」
「ハル様、まだドレスの裾さばきがお上手ではないのですよ、よそ見されていてはそうなります。」
アユールの注意がとぶ。
「ごめんなさい、気をつけます。」
ユンハもにこやかに微笑むとハルのそばでまた転ばないかと見守っている。
その光景を見ているガインも口元に笑みを浮かべていた。
ーーおや、私も、、
変わられたのは皇子だけではないようですね。
この穏やかな空気を好ましく思いつつ、ガインは執務室を後にした。
コウジュン様は確かに変わられた。
いつも冷静で、理性的。社交的な微笑みの中にどこか一線引いたようなところがある、それがコウジュン皇子だった。
気品、判断力、知性もあり、大変優れた皇子、だが敢えて言うなら、異性への愛情面で欠けているところが見られた。それは皇子の生母である前王妃が寂しい最期を遂げられたことが皇子の心に傷を残しているからなのだが、その皇子が、このようにひとりの女性に目を向けられる日がくるとは、、
「ガイン?どうしたの?」
ガインはまじまじとハルを見つめていた。
「あ、いえ、何でもありません。」
ガインは慌てて止まっていた手を動かした。
午後に不要な書類を置きに戻ったのだった。
「ま、ハル様!」
「え、っぁ!きゃあ!」
ドレスの裾を踏んでしまい前のめりに倒れこみそうなところを、ユンハに支えられる。
「ハル様!」
「ぁ、、あ、りがとう、ユンハ、、」
「ハル様、まだドレスの裾さばきがお上手ではないのですよ、よそ見されていてはそうなります。」
アユールの注意がとぶ。
「ごめんなさい、気をつけます。」
ユンハもにこやかに微笑むとハルのそばでまた転ばないかと見守っている。
その光景を見ているガインも口元に笑みを浮かべていた。
ーーおや、私も、、
変わられたのは皇子だけではないようですね。
この穏やかな空気を好ましく思いつつ、ガインは執務室を後にした。

