「はぁ」

私はため息をついた。すると

「50回目」

隣から声が聞こえた

「なに、優也」

「お前が今日ため息をついた回数」

「えっ?!」

そんなに…?!

「そんなんじゃ、幸せも逃げてくぞー?」

「ふふっ」

渡利が北海道に行ってから私は進級し3年生になった。そして、優也とはクラスが一緒…しかも隣の席になった。

「香織」

「なに?」

真剣な顔で優也が言った

「そろそろ気持ちを切り替えねーといけないんじゃない?」

「…」

それはずっと自分でもわかっていた事だった。

「まあ、それは香織がいちばんよく分かってるだろうけど。」

そう言うと私の頭をポンポンとしてきた

「ありがとう、なんか優也にはずっと助けてもらってるね」

「じゃあさ、なんかお礼してくれる?」

「"俺と付き合って"以外ならいいよー」

「さすがにそんなこと言わねーよ」

「ですよね...」

「遊園地、行こうぜ」

「え?」

「お礼。俺と香織で遊園地行こうぜ」

「うん!」

優也なりに気を使ってくれているんだと思った。